ラブプラスについて考えてみる

ずーっと色々考えてたり話したりしてたんですが、とりあえずだらだら一旦吐き出してみようと。


1:そもそもラブプラスとは何か。


全く知らないって人もあんまいないと思いますが、一応軽くまとめとして。
ラブプラスコナミがDSで出したゲームです。大区分としてはギャルゲーに属するソフトなんですが、
既存のよくあるギャルゲーとはかなり方向性の異なるゲームです。
通常のギャルゲーは概ねキャラをクリアするゲームなわけなんですが、
ラブプラスはクリアして(正確にはクリアされてなんですが細かい事は割愛)からが本番のゲーム。
要するにカップルになってからのいちゃいちゃを楽しむ事がメインなゲームなんです。
毎日毎日、メールしあったり一緒に帰ったり、休日にデートしたり……。
そういうコミュニケーションを楽しむゲームなわけです。(ソフトのジャンル表記もコミュニケーションですしね。)
しかもそのコミュニケーションによって、彼女にした子の髪型や服装や性格が変わって行くという
プリメ的というか俺の嫁的というか、まあそういう欲求もみたしてくれたりするわけです。
また、声優に丹下桜(事実上の声優復帰作)や皆口裕子といった、今のメインよりいっこ上の層を狙い打ちにしたキャストも話題になりました。


DSでたまにある、評判の良さから口コミで売り上げが伸びていくケースに当てはまったのと、
品薄状態が長期に渡った事もあってか、現在の売り上げは14万を突破しなお売れています。
今年発売の家庭用ギャルゲー系ソフトの中では、
アイドルマスターSP サン/ムーン/スターの3本合算18.7万、
初音ミク-プロジェクト ディーヴァ- の15.4万本
に次ぐ売り上げになっていて、このまま勢いが持続すれば今年No.1(てか過去5年でもNo.1)も狙える状態です。
単品でこの規模の売り上げにまで到達したというのは、
このソフトが単にギャルゲー層だけでなくもうちょっと広い層に売れているという事が言えると思います。


ちなみに、ラブプラスの売り上げなどがよくドリームクラブ(以下ドリクラ)やアイドルマスターDS(以下アイマスDS)と比較される事がありますが、
これはこれらのソフトがほぼ同時期に発売した事(ドリクラ8/27・ラブプラス9/3・アイマスDS9/17)、
一部の販売店で対決を煽ってたりした事(わかりやすいとこだとソフのこれとか)からです。
結果的には、ラブとか夢とか言ってる場合じゃないとか言っちゃったアイマスDSが一番売れてないあたりは皮肉な感じですが。
ラブプラス14万・ドリクラ5.1万・アイマスDS3.7万)
この3本、発売されるまではアイマスDS>ドリクラ>ラブプラスになるって思われてたんですよ。
アイマスは過去の実績があるし、ドリクラは事前宣伝を上手い事やってたのとわかりやすいコンセプトってので。
ラブプラスはソフトの作りとしても特殊だし、声優のキャストなんかもあったので、
「コアな人が注目するけど売り上げはあんまり伸びないんじゃ」と思われてたんですよ。


という辺りが、ラブプラスについてと今の人気の度合いの適当な説明でございます。
で、こんだけ売れたソフトなら当然同人にしようという流れも出てくるわけなんですが……というのが次の話題。


2:ラブプラスと同人の相性


自分の周りの人と話してて出た話題なんですが、
ラブプラスの同人って出てくるんだろうかみたいな話をした時、
ラブプラスは同人誌は相性悪いから微妙じゃないか?という話があったんですよ。
で、同人作家さんと話しててもラブプラスは同人誌作りにくいという話が出てくるわけなんです。
どういう事なのか。出てきた話を箇条書きにすると、


・やっぱりキャラが少ない、その上その上キャラ同士の絡みがゲームで殆どない
俺の嫁自慢以上の本が出てこないんじゃないか、他人の嫁自慢を見て面白いのかが微妙
・ストーリーが殆ど無いに等しいので話が作りにくい
・髪型とか性格をカスタマイズできるのが面白いんだけど、本にすると結局デフォで描かないといけないのがアレ


といった感じの事をいわれたわけなんですよ。
後、細かい話だと、名前をどうするかなんて話もありましたね。
このゲームの性質上、こういう話が出てくるのはしょうがないんですよね。
ゲームは同人の方を向いて作ってるわけでもないですし。
作品に隙を作ってそこを楽しんでもらう作り方じゃなくて、
多少想像力に頼る面はあれど基本的にはきっちり作りこんだ物を提供しようという作り方なわけで。
同人を作りやすい作品作りにくい作品ってのは確かにあって、
ラブプラスはまあやっぱりその「作りにくい作品」に分類されるんですよね。
今は俺の嫁かわいい本でもいいけど、その先が作れるのか―――となるときっつい。
まあ、その先まで作るほど嵌る人がどれぐらいいるのかというのが次の話題。


3:ラブプラスはブームになれるのか、それ以上になれるのか


今冬の同人ジャンルで流行りそうな物はというのを考えた時に、
ラブプラスはある程度の位置に来る事は考えられます。
夏の時のけいおんや咲といったようなパワージャンルが今季や前期のアニメには見当たらないですし、
他のゲームとか漫画のジャンルでもそれほど有望な作品はないです。
そうなると、話題性があるラブプラスで描く人は結構いるかもなあと。
やな発言ですが、エロ本テンプレートに乗せる事はそれほど難しくはないので
(むしろけいおんや咲みたいなヌル百合路線寄りの作品よりよっぽど乗せやすいんじゃないかと)、
そういう意味でも描く人はいるかなと。
11/1に開催されるオンリーも、82SPとかなりの規模で集まってますし、少なくとも今冬は盛り上がりそうな気がします。


じゃあ、冬に描かれて終わりなのか、そこからある程度の長さ愛される作品になれるのか。
ってのが気にかかるところなんですが、どうなんでしょうね(ぉ。
だらだら考えてたら時間が……。普通に逝くと上記の事もあるし難しいとは思うんですが、
ただ、売り上げを見れば一般的な盛り上がりというレベルを突破しそうな作品なだけに、
可能性はあるんじゃないかなあとか。ああ何か中途半端なところで終わってしまった。

昨日のNONFIX「オタクと町が萌えた夏」がかなりきつい番組だった

番組公式サイトはこちらhttp://wwwz.fujitv.co.jp/nonfix/index.html
この感想は、タイトルみりゃわかると思いますが割と否定的な見地から書かれております、ご了承ください。


昨日のフジテレビで深夜3時から放送されてたドキュメンタリー番組NONFIXは、
テーマが「オタクと町が萌えた夏」というもので、埼玉県・鷲宮町の合併前最後の夏の出来事を取り上げたものです。
このドキュメンタリー番組で取り扱われたテーマは大きく分けて2つ。
一つは合併によって町が失われるという喪失を向かえる住民のお話、
もう一つが、オタクの「聖地巡礼」についてです。
もはや説明するのもだるいんですが、らき☆すたの舞台のモデルにもなってる鷲宮神社には、
聖地巡礼と称して多くのオタクが訪問しています。


番組の流れとしては、序盤に鷲宮神社に足しげく通う痛絵馬奉納オタク「もてぎ君」を中心に聖地巡礼するオタク達の姿を映しだし、
その後、市町村合併を目前に向かえ、鷲宮町がなくなる事に複雑な感情を抱く現地住人の話と今の鷲宮町の状況を、
そしてそこから町に活気を取り戻すために、鷲宮町として最後の祭りにオタク御輿(っていうからき☆すた御輿)をつっこんでやろうぜとなるわけです。
そしてクライマックスは当日の祭の様子を映し出しています。
微妙にもてぎ君の成長ストーリー風味も加えた感じの番組になってます。
詳しくは公式の方であらすじがまとまってるんで、そっちをみていただければ。
http://wwwz.fujitv.co.jp/nonfix/library/2009/592.html


やーもうこの番組見てて何がきついって、やっぱり聖地巡礼という行為を好意的に取り上げすぎなとこでしょうか。
聖地巡礼で町に活気が!(ちょっと変な方向にですが)』って、鷲宮町は相当うまくやったケースだし、
他で同じような事ができるかっつーたら難しいでしょうよ。
この番組みて「聖地巡礼は良い行為なんだ」とか勘違いするオタクがでてきたら困る。
あと、オタクが大挙して押し寄せる光景なんて普通の人からしたらやな印象しか抱かないと思うんですが。
実際それで問題になってるところもあったりするわけだし。


あと、もてぎ君をはじめとするオタクの面々が映ってるとこはやっぱきついなあ……。
もてぎ君、毎週訪れてそのたびに現地で痛絵馬作成して奉納してくとか、情熱の使い方間違ってる!
彼らは自分達の姿を映されて、それでオタクの印象が良くなると思ってるんでしょうか……。
オタクが一般世界に受け入れられることなんてないんだから、あんまり変に映らないで欲しい。


後やっぱきつかったのがクライマックスの祭のシーン。
ていうかさー、キャラ名連呼しながら御輿かついでる光景を見せられてもこれは誰得映像なんだって感じが。
あまつさえ、コスプレねーちゃんみこしに乗せてコスのキャラ名連呼しながら担いでる光景とかマジ悪夢でした。
あと、『三次元の女性におたくたちちょっとドキドキ』とかナレーションも酷い、ケンカ売ってんのか。
オタク=二次元だけ大好きみたいな構図をナチュラルに作ろうとしないでください。


町の人を取り上げてる時は割と普通のドキュメンタリーっぽい感じなのに、
オタクを取り上げてると途端に何か異質な物に感じられたのは、俺がそっち側の人間だからなんでしょうか。
個人的にちょっと感心したのは、町の人代表みたいな人が、ブームが過ぎ去った後の事をちゃんと考えてた事ですかね。
すげえと思うと同時に、本気なんだなというのも感じられた。
最後の祭の部分の観客は、圧倒されてるんじゃなくて呆れてるの間違いだと思います。


僕はこのドキュメンタリー番組のプロデューサーの戸田有司さんが
何を考えてこの企画を出したのかは知りません。
深夜3時台のドキュメンタリー番組ですから、視聴率的なものを狙う必要はほぼ全くないはずで、
割と純粋に追いたい物を追えるのがこういう時間帯のドキュメンタリーの良心だと思ってたんですが。
エッヂの効いた作品を作らなきゃと思うあまりエッヂを効かせすぎたんじゃないんでしょうか。


この番組に言ってやりたいこと:頼むからオタクをそっとしといてくれ。
いやほんとマジで、勘弁して欲しい。「オタクの人って萌え萌えいいながら御輿担いだりするんですよね」とか言われたら俺は首をつるぞ。
まあ、「オタクがテレビで取り上げられるとろくな事にならない」という一例としては良い出来なんじゃないんでしょうか。


すっげえ余談なんだけど、このドキュメンタリーに美水かがみのよの字も出なかったのはどうなんでしょうか……。