昨日のNONFIX「オタクと町が萌えた夏」がかなりきつい番組だった

番組公式サイトはこちらhttp://wwwz.fujitv.co.jp/nonfix/index.html
この感想は、タイトルみりゃわかると思いますが割と否定的な見地から書かれております、ご了承ください。


昨日のフジテレビで深夜3時から放送されてたドキュメンタリー番組NONFIXは、
テーマが「オタクと町が萌えた夏」というもので、埼玉県・鷲宮町の合併前最後の夏の出来事を取り上げたものです。
このドキュメンタリー番組で取り扱われたテーマは大きく分けて2つ。
一つは合併によって町が失われるという喪失を向かえる住民のお話、
もう一つが、オタクの「聖地巡礼」についてです。
もはや説明するのもだるいんですが、らき☆すたの舞台のモデルにもなってる鷲宮神社には、
聖地巡礼と称して多くのオタクが訪問しています。


番組の流れとしては、序盤に鷲宮神社に足しげく通う痛絵馬奉納オタク「もてぎ君」を中心に聖地巡礼するオタク達の姿を映しだし、
その後、市町村合併を目前に向かえ、鷲宮町がなくなる事に複雑な感情を抱く現地住人の話と今の鷲宮町の状況を、
そしてそこから町に活気を取り戻すために、鷲宮町として最後の祭りにオタク御輿(っていうからき☆すた御輿)をつっこんでやろうぜとなるわけです。
そしてクライマックスは当日の祭の様子を映し出しています。
微妙にもてぎ君の成長ストーリー風味も加えた感じの番組になってます。
詳しくは公式の方であらすじがまとまってるんで、そっちをみていただければ。
http://wwwz.fujitv.co.jp/nonfix/library/2009/592.html


やーもうこの番組見てて何がきついって、やっぱり聖地巡礼という行為を好意的に取り上げすぎなとこでしょうか。
聖地巡礼で町に活気が!(ちょっと変な方向にですが)』って、鷲宮町は相当うまくやったケースだし、
他で同じような事ができるかっつーたら難しいでしょうよ。
この番組みて「聖地巡礼は良い行為なんだ」とか勘違いするオタクがでてきたら困る。
あと、オタクが大挙して押し寄せる光景なんて普通の人からしたらやな印象しか抱かないと思うんですが。
実際それで問題になってるところもあったりするわけだし。


あと、もてぎ君をはじめとするオタクの面々が映ってるとこはやっぱきついなあ……。
もてぎ君、毎週訪れてそのたびに現地で痛絵馬作成して奉納してくとか、情熱の使い方間違ってる!
彼らは自分達の姿を映されて、それでオタクの印象が良くなると思ってるんでしょうか……。
オタクが一般世界に受け入れられることなんてないんだから、あんまり変に映らないで欲しい。


後やっぱきつかったのがクライマックスの祭のシーン。
ていうかさー、キャラ名連呼しながら御輿かついでる光景を見せられてもこれは誰得映像なんだって感じが。
あまつさえ、コスプレねーちゃんみこしに乗せてコスのキャラ名連呼しながら担いでる光景とかマジ悪夢でした。
あと、『三次元の女性におたくたちちょっとドキドキ』とかナレーションも酷い、ケンカ売ってんのか。
オタク=二次元だけ大好きみたいな構図をナチュラルに作ろうとしないでください。


町の人を取り上げてる時は割と普通のドキュメンタリーっぽい感じなのに、
オタクを取り上げてると途端に何か異質な物に感じられたのは、俺がそっち側の人間だからなんでしょうか。
個人的にちょっと感心したのは、町の人代表みたいな人が、ブームが過ぎ去った後の事をちゃんと考えてた事ですかね。
すげえと思うと同時に、本気なんだなというのも感じられた。
最後の祭の部分の観客は、圧倒されてるんじゃなくて呆れてるの間違いだと思います。


僕はこのドキュメンタリー番組のプロデューサーの戸田有司さんが
何を考えてこの企画を出したのかは知りません。
深夜3時台のドキュメンタリー番組ですから、視聴率的なものを狙う必要はほぼ全くないはずで、
割と純粋に追いたい物を追えるのがこういう時間帯のドキュメンタリーの良心だと思ってたんですが。
エッヂの効いた作品を作らなきゃと思うあまりエッヂを効かせすぎたんじゃないんでしょうか。


この番組に言ってやりたいこと:頼むからオタクをそっとしといてくれ。
いやほんとマジで、勘弁して欲しい。「オタクの人って萌え萌えいいながら御輿担いだりするんですよね」とか言われたら俺は首をつるぞ。
まあ、「オタクがテレビで取り上げられるとろくな事にならない」という一例としては良い出来なんじゃないんでしょうか。


すっげえ余談なんだけど、このドキュメンタリーに美水かがみのよの字も出なかったのはどうなんでしょうか……。