@COMITIA74

日時:2005年11月6日(日)11:00〜15:30 会場:東京ビックサイト西1ホール


 今度の日曜日の11月6日に、創作オンリー同人誌即売会(正式には自主制作漫画誌展示即売会)である、
コミティア74が開催されます。
今回参加するに当たって注意すべき点は、会場が西1ホールな事です。
いつもの癖で東に行ってしまいそうになりそうな方は注意しましょう。
あと一般参加者の方には関係のない話ですが、サークル入場の入場停止時間が10:30〜11:00になってます。
いつもぎりぎりで入場されるサークルの方はお気をつけください。
 今回のコミティアは、出張編集部・原画展などの会場内の企画は無しだそうです。
ただ、ジュンク堂さんの出張販売コーナー・画材屋さんの出店・見本誌コーナーは存在してます。
イベント規模は直参1690サークル1749SP、委託参加110サークル。過去最高を更新だそうです。



 という事で、このイベントに出るサークルさんの本の中から、
いくつかお勧めの本を上げていこうかと思います。
もちろん自分が勧める本以外にも良い本は沢山あるわけですが、
一つの参考になってくれれば、とは思ってます。


九月病/海底温泉シギサワカヤ)/O29a
(画像は総集編1のものです)

 今回のティアズマガジンの表紙も描いてらっしゃる、シギサワカヤさんのサークル。
海底温泉さんは、基本的にコミティアにしか出てないサークルさんです。
そのシギサワさんの多分同人での代表作がこの「九月病」シリーズです。
総集編1・総集編2・九月病5の3冊で完結しているシリーズ物で、
兄の広志と妹の真鶴の伊坂兄妹を中心としたやや鬱々ぎみな恋愛物です。
兄妹の恋愛という背徳感や、各自が「自分は幸せになる権利がないんじゃないか」
と考えている微妙に救いがない感じの思考が、
物語の展開を深く重いものに仕上げています。
「甘く切ない恋の物語」とは全く対照的な、手詰まり感に溢れているストーリー展開。
その中でもがいていく登場人物達に、ぐぐっと引きこまれていきます。
また、キャラに感情移入していくうちに、
自分の内面を覗かれてるようなぞっとした感覚に襲われることも。
そのぐらい、内面を深く描かれています。
 九月病シリーズは、今回のコミティアでこの九月病シリーズは頒布を終了するかもしれないとの事ですので、興味をもたれた方は一気に買ってみてはいかがでしょうか。
3冊で合計2800円(800・1000・1000)とちょっと値は張ってしまいますが、
それだけの厚さもありますし、読み応えもあります。
また、一つの家での男と女の奇妙な半同棲物語を描いている「ヴァーチャル・レッド」シリーズも描いておられます。


マイムラのみぢかいまんが/RIMLAND(舞村そうじ)/M20b

 舞村そうじさんの個人サークルであるRIMLANDは、
短編・長編様々な創作物語をコンスタントに発行してらっしゃるサークルです。
主に東京を中心としたコミティアに出てらっしゃいます(コミケには出てらっしゃらないようです)。
今回紹介するこの本は05年3月に発行された本で、
RIMLANDが過去のイベントで発行したペーパーに掲載されていた
ショート漫画や未発表作品をまとめた本です。
 RIMLANDさんの作品は、とても小粋で軽やかな作品が多いのですが(もちろん作品によって違いはあります)、
その中でもこの本は舞村さんのセンスが光る作品が数多く収録されています。
一つの話は短いのだと1Pから長くても10P少々ですが、それぞれが漫画として面白いです。
一気に読むのもよし、一編ずつ読むのもよしで、自分に合わせた読み方も出来ます。
自分にあった作品が、きっとこの中にあるはずです。
 また同じ短編集としては、これは1本の話になっているのですが「エミリアと旦那様総集編」という本もあります。
メイドさん漫画としてもとても出来の良い作品ですので、興味のある方はこちらもぜひ。



私事-ワタクシゴト-/ジャポニカ自由帳(コサカトシフミ・こてはし直樹)/G08b

 ジャポニカ自由帳は、コサカトシフミさんとこてはし直樹さんの二人サークルです。
はてなによると「コミティアを中心に同人活動」って書いてあるけど、コミティア以外で出てるのを自分は見た事がありません。他のイベントに出てるのを知ってらっしゃったら、誰かぜひ教えてください。
お二方共に、それぞれ商業4コマ漫画誌に描かれているので、
知ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
 この本は、ジャポニカ自由帳が2003年に出した本の総集編です。
1話1話は少ないページ数なのですが、様々な色づけがされているストーリーが載っていて、
ハッピーになったり、ちょっとしんみりしたりと、様々な楽しみ方ができます。
個人的にはこてはしさんが描かれている、美森さんと壮太くんのお話が、
読んでてあったかい気持ちになれて非常に好きです。
 ジャポニカ自由帳は、いつもは二人がそれぞれ描いた漫画が載った本をコピー誌で発行しているので、なかなか入手が困難なのですが、
総集編はオフセットで発行されているので、入手はそこまで難しくはないはずです。
また今回のコミティアサークルカットによると、「総集編第三号が出る可能性→10%弱」との事ですので、もしかしたら新しい総集編が出てるかもしれませんね。



FourSister's & TeaHouseStory 4/世緋亜◆摸細工(伽守宮あきら)/K28a

 世緋亜◆摸細工(せぴあ・もざいく)さんは、主にコミティアコミケに参加されてる伽守宮あきらさんの個人サークルです。
 この本は、11月3日にコスチュームカフェで発行された本で、
今回のコミティアでもこの本が新刊となる本です。
内容としては英国の田舎の喫茶店を舞台とした四姉妹物語の四冊目。以前のシリーズの本を持ってなくても、多分大丈夫です。
末妹を寄宿学校へ入れさせようとする長女と、それを嫌がる末妹を中心として進んでいくストーリー。
四姉妹の微妙な心情の違いが、読んでいてこそばがゆいというかなんというか。
 世緋亜◆摸細工さんは、05年の冬コミ以降、同人活動のほうをしばらくなされないとの事。今後は投稿活動をがんばられるそうです。
なので、買うなら今しかチャンスがなかったりします。



 という事で今回は、「コミティアでなきゃ見れない」というサークルさんを
中心にお届けしました……相変わらず章がへたれで凹むやね。
俺の章は下手ですが、紹介してる本はみんな良い本なので、コミティアでぜひ手にとっていただければ。
いや、この時期だと「まあ冬コミに買えばいいや」ってなりがちですし。
それに対するささやかなカウンターの気持ちを込めて。