星雲賞のこと。

http://animeanime.jp/news/archives/2007/09/sf92.html

第38回星雲賞受賞作品(2007年)


日本長編部門 「日本沈没・第二部」 小松左京谷甲州
日本短編部門 「大風呂敷と蜘蛛の糸」 野尻抱介
海外長編部門 「移動都市」 フィリップ・リーブ(安野玲訳)
海外短編部門 「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」
 アダム=トロイ・カストロ&ジェリイ・オルション
メディア部門 「時をかける少女
監督:細田守 制作:マッドハウス 製作:「時をかける少女」製作委員会
コミック部門  「ヨコハマ買出し紀行」 芦奈野ひとし
ノンフクション部門 宇宙へのパスポート3 宇宙開発現場取材 笹本祐一
自由部門 M-Vロケット 宇宙航空研究開発機構
特別賞 米澤嘉博


個人的に、『ヨコハマ買い出し紀行』がコミック部門を取ったのがポイント。
正直、今年の他のノミネート作品がどれもこれも大物ばっかりだったので、
(コミック部門の参考候補作リストは、DEATH NOTE武装錬金からくりサーカス・妖精国の騎士・ヨコハマ買い出し紀行
取れてなかったらどうしよう、もう日本のSFファンには何も期待しないほうがいいのかとかアワアワしてたんですが、
杞憂に終わってほっとしています。
他のブログとかだと「『ヨコハマ買い出し紀行』って読んだことないなあ」とか、「何でDEATH NOTE(or武装錬金orからくりサーカス)じゃなかったんだろう」とか、しょんぼりな意見ばっかでしたよ、トホホ。


いや、贔屓目無しで見てもあれはほんとまっすぐにSFな作品です。
「お祭りのようだった世の中」がゆっくりと落ち着き、「夕凪の時代」と呼ばれた近未来の日本が舞台っていう、
人類の衰退の時代の一風景を穏やかにやさしく描いてると思うんすよね。
ふいんき漫画と思われがちだし、たしかにそっちの側面も魅力的ではあるんですが、
注意深く作品を読んでいったときに、そこかしこにちりばめられているSF的要素が、
別の魅力を作り出してるというか。
漫画喫茶になら多分あると思うんで、1巻だけでも読んでみて欲しい作品です。
イヤー、ほんとよかった。


余談:他の日記で何で連載中に受賞できなかったんだろ、っていう意見があったりするんですが、
星雲賞は前年1月1日から12月31日までに発表された作品で、連載作品の場合原則完結した時点で対称になるんで、
2006年2月(4月号だから2月だよね?)に完結してるヨコハマ買出し紀行は、
07年の星雲賞じゃないとノミネートされなかったわけです。


ヨコハマ買い出し紀行 1 (アフタヌーンKC)

ヨコハマ買い出し紀行 1 (アフタヌーンKC)